玄関におしっこを引っ掛けられていた話

長いこと嫌がらせを受けている。家に帰ると玄関ドアが濡れているのだ。何者かに謎の液体をかけられているようだ。

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なんだこれは。怖い!

最初はマンション管理人の清掃の過程で水がかかったのかと思ったが、一ヶ月おきに定期的に同じ場所が濡れているのだ。誰かが何らかの目的でやっているとしか考えられない。

一体だれだ?いわゆる隣人トラブルというやつか?今の家に引っ越してきてから上下左右には気を使って暮らしてきたつもりだが何かそんなに恨まれることをしただろうか。

 

そんなこんなで何をしてても気持ち悪さと不気味さが頭の隅にこびりついたままの毎日だったのだが、先日ついに犯人の正体を暴くことができた。

 

その日は暑さと涼しさの谷間のような気候で過ごしやすい一日だった。

仕事を終え、最寄りのスーパーで晩飯の食材と缶チューハイを買ったぼくはてくてくと家路に向かっていた。エントランスをくぐり玄関前につく。すると「そいつ」が急に目に飛び込んできた。

お尻をドアに向け気持ちよさそうにおしっこをしている。やけに余裕のある態度だ。ぼくは呆然としたままその姿を見つめていた。果たしてぼくに気づいているのかいないのか、やがておしっこが終わるとそいつは僕がいるほうとは逆の方に歩き始めた。

 

残念ながら嫌がらせの瞬間をカメラに収めることはできなかったがその後の姿はしっかりと撮ることができた。それがこちらだ。

 

悪びれもせず眼光鋭く睨みつけてくる犯人(ならぬ犯ニャン)

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追いかけると颯爽と逃亡をはかる犯人(ならぬ犯ニャン)

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ぼくがカメラ片手に追跡していると猫はひょいと塀を乗り越え闇に消えていった。

 

で、あとで調べてわかったのだが猫はどうやらマーキングをしていたようだ。しかし何故ぼくの家だけ?不思議だったがそれも答えがわかった。

ぼくは家の玄関前に虫除けアイテムを設置している。一枚目の写真にある灰色の長方形のものがそれだ。これが強い匂いを発しておりそれが野良猫にとっては気に食わなかったらしい。

かくしてこの一件は終わりを告げ、ぼくの悩みは杞憂に終わった。ご近所トラブルではなくて一安心だ。

そして虫除けは取り除くことにした。今度またあいつが来たらひっ捕まえて缶詰でもあげよう。